大学卒業直後は、大手都市銀のシステム部にいたんですよ。毎日一定の気温、湿度に保たれたクリーンルームでパソコンと向かい合う毎日。話しかける相手もいない中でまる一日を過ごすこともざらでした。結婚して子供を授かったのですが、流産しかけたので辞めました。やりがいはあったのですが、ストレスフルな職場でしたね。
そういう体験があったからこそ、健康とか美容といった、自分の身体のことに目がいったんだと思います。OLさんがどんな気持ちでいるのか、身体にどんな負荷がかかるのかということは、その時期に身を以て学びましたね。
出産後、仕事に復帰したら以前から興味のあった美容の仕事をしよう。そう決めて、国際エステティシャン(INFA) の資格をとりました。解剖生理学、皮膚学、心理学、栄養学・・・。学んでいくと身体のことがトータルに分かってきて、おもしろいんです。資格取得だけのための勉強じゃないな〜と、のめりこみましたね。そのうち、ハーブやアロマといった自然療法の世界にまで興味が広がっていきました。
「人が美しくなる」過程や要因は、いくつもあります。その人に今、何が必要なのか、あるいは何が問題なのか。それを探り当てられる「引き出し」をたくさんもっていれば、「人が美しくなる」お手伝いができるようになるんです。引き出しを増やすための勉強を積めば積むほどに「人って、なんて複雑で、無限の可能性をもっているんだろう!」って思います。だれもが、その人らしく、美しくなれるんだな・・・と。
おもしろい!と思ったことは、どうしても人に伝えたくなる性質(たち)なんですね。いくつかの職場を経て、気がついてみたら、エステティシャンやセラピストを養成する立場になっていました。けれど、いつでも現場にも立っていたい。そうでないと、「お客様のニーズを読める」現場の人間を養成することなんて、できないですしね。
ということで、サロンでのトリートメントも時間の許す限り、しています。
多くの女性が、何かにひっかかっていて、あるいは何かに気がついていなくて、惜しいところで美にまで到達していないんです。美が花開く時には、内側から開くのであって、私たちが開かせるのではありません。けれど、自らが開いていくきっかけづくりをすることはできる、それが私達エステティシャン、セラピストの仕事だと思っています。